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検査値の読み方(AST(GOP)ALP(GPT)γGTP)

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健康診断で血液検査すると色々な検査項目があります。
それをわかりやすく解説していきます。

基準値と基準値外の場合に疑われる病気

項目 基準値 高値で疑われる病気
AST(GOT) 10~40IU/L 急性肝炎、慢性肝炎、劇症肝炎、肝硬変、心筋梗塞、脂肪肝など
ALT(GPT) 5~40IU/L 急性肝炎、慢性肝炎、劇症肝炎、肝硬変、脂肪肝など
γ‐GTP 男性:79IU/L以下 女性:48IU/L以下 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害など

肝臓の機能をみる指標として、検査ではAST(GOT)とALT(GPT)、γ‐GTPが出てきますが、以前はGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていました。
現在は、国際命名基準によりAST(アスパラギン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)と呼ばれています。名前が変更になっただけで、単位も同じです。
AST、ALT肝細胞で、γ‐GTP胆管でつくられる酵素です。
肝細胞が破壊されると、血液中に放出されるため肝機能を調べることができます。
血液検査では漏れ出た分量を測定しています。

ASTは心筋、肝臓、骨格筋、腎臓、血液の赤血球の中にも含まれています。そのためASTの上昇は肝臓の病気以外にも、心筋梗塞や心筋炎、肺梗塞、腎梗塞、筋ジストロフィー、溶結性疾患などで上昇します。

ALTはほんどが肝細胞の中に存在し、心筋、骨格筋には少なく、この数値の上昇は肝臓の病気に特異性が高いです。

γ‐GTPはアルコールに特異性があり、お酒を飲む人では数値が上昇するので、アルコール性肝障害の診断の目安になります。
AST、ALTが少なすぎることで問題になる病気はありません。

AST、ALT共に上昇した場合は、肝炎などの肝臓の細胞が壊れた疑いがあります。
肝臓には神経が通ってなく、ダメージを受けても痛みなどの自覚症状がないため「沈黙の臓器」と呼ばれています。そのため、健康診断や人間ドックの受診で血液検査をすることが重要です。

肝臓の働き

  1. 物質の代謝
    多くの食べ物はそのままでは体に吸収されません。胃や腸で分解、吸収され肝臓に運ばれ、そこで多くの酵素がかかわり取り込んだ栄養素を血液に送り込んだり、肝臓に蓄えたりします。
  2. 解毒
    肝臓には薬物や食品、アルコール、細菌なども流れ込みます。これらを分解して無毒化する働きがあります。
  3. 胆汁の生成
    肪の消化・吸収を助ける働きのある胆汁を合成します。

肝臓のために

  • 心身の安静を保てるように、十分睡眠をとる
  • 食事は栄養を必要量摂取し、バランスの良い食事を心がける
  • 飲酒によって数値は上昇するので飲みすぎには注意する
  • ストレスをため込まない
  • 適度な運動をする

 

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