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検査値の読み方(尿素窒素・クレアチニンとクレアチニンクリアランス)

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健康診断で血液検査すると色々な検査項目があります。
それをわかりやすく解説していきます。

基準値と基準値外の場合に疑われる病気

項目基準値基準値をはずれた時の病気
尿素窒素(BUN)10~20 ㎎/dl100㎎/dl以上…腎不全(尿毒症)の可能性
高値…急性・慢性糸球体腎炎 消化管出血 うっ血性心不全 尿管結石 膀胱腫瘍など
低値…肝硬変 肝機能不全 尿崩症など
妊娠でも低値になることがある
クレアチニン男性0.65~1.09 ㎎/dl
女性0.46~0.82㎎/dl
高値…糸球体腎炎 尿路結石 うっ血性心不全 ネフローゼ症候群 末端肥大症など
低値…肝障害 尿崩症 筋ジストロフィー 甲状腺疾患など
妊娠でも低値になることがある
クレアチニンクリアランス82~183 ml/分高値…初期糖尿病 末端肥大症 ネフローゼ症候群など
低値…糸球体腎炎 糖尿病性腎症 など

腎臓のはたらき

  • 尿を作る。血液中の老廃物(尿素窒素、クレアチニン、尿酸など)や不要なものを水分とともに尿としてだす。
  • 電解質(血液や体液中に存在するナトリウム、リン、カルシウム、塩化物イオン、リン酸イオンなど)のイオンバランスを保ち、血液を弱アルカリに保つ。
  • 血圧の調整をする。
  • ビタミンDから骨の生成に必要な活性型ビタミンDを作る。
  • 赤血球を作ることに関わる造血ホルモンのエリスロポエチンを作る。

尿素窒素(BUN)

腎機能のほか、全身の諸臓器の機能の状態をみる指標
尿素窒素は、たんぱく質が分解されたときに出る物質が尿素で、尿素は腎臓から尿中に排出されます。腎機能の働きが落ちると、排泄されない分が血液中に残り尿素の値が上昇します。
尿素には窒素を含んでいるので尿素窒素を測定しています。

クレアチニン

腎臓の糸球体のろ過機能をしる指標
アミノ酸が分解されていく過程でクレアチンリン酸という物質ができます。これは筋肉が運動するためのエネルギー源になります。この物質が代謝された後にできる老廃物がクレアチニンです。腎臓の糸球体から排泄されて、尿中に出ます。腎臓の機能が低下すると血液中のクレアチニンの濃度が上昇します。
(数値は筋肉の量により左右されることがあるので、注意が必要です)

クレアチニンクリアランス

腎臓の糸球体の異常や障害の程度をしる指標
糸球体でろ過される血液の量を調べる検査でクレアチニンがどのくらい腎臓で排泄されているかをみます。クレアチニンクリアランスは腎機能を最も正確に知ることができます。
腎機能が悪くなると、ろ過される量が減るためクレアチニンクリアランスの値が下がります。年齢が高くなにつれても下がります。


 

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