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お薬は授乳中の方でも、服用して問題ない場合が多いです。
(お薬によって例外はあります。後述。)
薬の成分が母体に取り込まれ、母乳に含まれる量は1%以下とされており、乳児にほとんど影響が及ばない分量と考えられています。
とはいえ離乳食が始まっていない乳児の場合、母乳を飲む頻度が多いため、薬によっては乳児に影響を及ぼす可能性はゼロではありません。
診察の際に、医師に乳児の月齢を伝える事で、より安全性の高いお薬が処方されますが、知識として「授乳中に飲んではいけない薬」を知っておくことは重要です。
特にリスクが大きいと考えられるのは「咳止めのお薬」です。
本記事では「授乳中に飲んでもいい咳止め」「飲んではいけない咳止め」についてと、服薬後、母乳を飲む乳児への影響がどうしても気になる方の対処法について書いています。
コデインを含む医薬品の添付文書には、授乳中の婦人に対して下記のような記載があります。
※授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
出典元:医療用医薬品の添付文書情報
母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある。
https://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html
下記は、2018年現在に販売されているコデイン成分を含む医薬品のリストです。該当する医薬品をお持ちの場合は、授乳期の服用を避けてください。
下記資料に、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩を含め薬品のリストがあります。
厚生労働省 医薬・生活衛生局 監修OTC医薬品 使用上の注意改訂情報https://www.pmda.go.jp/files/000219030.pdf
※2017年7月に発行された資料のため、それ以降に販売されたOTC医薬品は掲載されておりません。上記リストにないお薬で気になるものがありましたら、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
液剤:
散剤:
錠剤:
※2018年12月段階の商品のため、これ以降に販売された商品は記載がありません。
上記リストにないお薬で気になるものがありましたら、服用前に医師または薬剤師に相談してください。
授乳中でも比較的安全性の高い咳止め薬として「メジコン」がよく処方されます。
妊婦さんや妊娠中の方が服用する場合は注意が必要ですが、授乳中でも母乳に比較的影響が出にくい咳止め薬です。
それ以外の副作用として、発疹や眠気が比較的出やすい点が挙げられ、吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が起こる可能性が、ごく稀にあります。
これらの症状が出た場合は使用を中止して、医師、または薬剤師に相談しましょう。
喘息で処方される吸入ステロイドと気管支拡張剤は、母乳や胎児への影響が考えにくいため、妊娠中、授乳中問わず予防薬としても処方されます。
発作が起こった場合、メプチンエアーやサルタノールといった気管支拡張の吸入剤が処方される場合が多いです。
ワケあって病院に行けない場合、下記のお薬は授乳中に服用して問題のない咳止め薬です。
ドラッグストアや薬店で市販薬を選ぶ際の参考として、3つピックアップしました。
せきをしずめ、たんを出しやすくするすぐれた効き目が持続します。1回1カプセルの服用で約12時間効果が持続します。
服用方法:食後1日2回(朝・夕)、1回1カプセル服用
主成分(2カプセル中の含有量):
当店の通販サイトでも販売しています。
⇒ 新コンタックせき止めダブル持続性カプセル
たん・たんのからむせきに。粘稠な痰の流動性を高め、気道粘膜を正常化して、痰を出しやすくします。早く溶ける液状カプセルです。
服用方法:食後1日3回(朝・昼・夕)、1回2カプセル
主成分(6カプセル中の含有量):
当店の通販サイトでも販売しています。
⇒ ストナ去たんカプセル
漢方薬は用法容量を守って服用すれば、授乳による幼児への影響はほとんどありません。
ただし「麻黄」※1、「大黄」※2が配合されている漢方の服用には注意が必要です。(詳細は下記、表下部に後述。)
参考までに、咳とそれに関する症状を抑える漢方薬を、下記一覧にまとめています。
漢方は服薬者の体力や、症状によって投薬するものが異なります。
最初の段階では「甘草湯」や「麦門冬湯」をしばらく飲み続け、効果が認められなかった場合は、体力の有無や病状詳細に該当する症状に合致するものを見定め、他の漢方薬を使います。
※ただし他に併用しているお薬があれば、必ず医師、薬剤師に相談してから服用して下さい。
また授乳中の漢方については処方される先生とされない先生がいらっしゃいます。 医療用漢方の処方については、医師の判断に従って服用してください。
市販の漢方薬を購入される場合、不安のある方は医師・薬剤師に相談の上、服用してください。
※スマートフォンで下記の表をご覧になられる場合は、スマートフォン本体を横に傾けていただいた方が、幅が広くなり、見やすくなります。
漢方薬 | 患者の体力 | 咳 | 激しい咳 | 痰 | 痰の多く出る咳 | 気管支炎 | 慢性気管支炎 | 気管支喘息 | からせき | しわがれ声 | 病状詳細 |
甘草湯 かんぞうとう |
関係なし | 〇 | 〇 | ||||||||
麦門冬湯 ばくもんどうとう |
中程度以上 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感がある | |||
柴陥湯 さいかんとう |
中程度以上 | 〇 | 〇 | ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振で口が苦く、舌に白苔がつき、強いせきが出てたんが切れにくく、ときに胸痛がある | |||||||
柴胡枳桔湯 さいこききつとう |
中程度以上 | 〇 | 〇 | ||||||||
柴梗半夏湯 さいきょうはんげとう |
中程度以上 | 〇 | かぜがこじれている。腹にひびく強度のせきが出る。 | ||||||||
竹茹温胆湯 ちくじょうんたんとう |
中程度 | 〇 | 〇 | かぜ、インフルエンザ、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきやたんが多くて安眠が出来ない | |||||||
清肺湯 せいはいとう |
中程度 | 〇 | 〇 | せきが続き、たんが多くて切れにくい | |||||||
補肺湯 ほはいとう |
中程度以下 | 〇 | 〇 | ||||||||
柴朴湯 さいぼくとう |
中程度以下 | 〇 | 〇 | 〇 | 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、かぜをひきやすく、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う。不安神経症、虚弱体質の方にも。 | ||||||
杏蘇散 きょうそさん |
中程度以下 | 〇 | 〇 | 〇 | 気分がすぐれず、汗がなく、ときに顔がむくむ | ||||||
茯苓杏仁甘草湯 ぶくりょうきょうにんかんぞうとう |
中程度以下 | 〇 | 〇 | 胸につかえがあり、息切れ、胸の痛み、動悸がある方。 | |||||||
苓甘姜味辛夏仁湯 りょうかんきょうみしんげにんとう |
中程度~やや虚弱 | 〇 | 〇 | 〇 | 胃腸が弱り、冷え症で薄い水様のたんが多い。動悸、息切れ、むくみがある方にも。 | ||||||
桂枝加厚朴杏仁湯 けいしかこうぼくきょうにんとう |
虚弱 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
参蘇飲 じんそいん |
虚弱 | 〇 | 胃腸が弱い方向け | ||||||||
喘四君子湯 ぜんしくんしとう |
虚弱 | 〇 | 胃腸が弱く、息切れする方にも。 | ||||||||
蘇子降気湯 そしこうきとう |
虚弱 | 〇 | 〇 | 足冷えや顔ののぼせがあり、息苦しさのある | |||||||
滋陰至宝湯 じいんしほうとう |
虚弱 | 〇 | 〇 | 〇 | 慢性的に咳が出る方に。 | ||||||
滋陰降火湯 じいんこうかとう |
虚弱 | 〇 | 〇 | のどにうるおいがなく、たんが切れにくくてせきこみ、皮膚が浅黒く乾燥し、便秘傾向のある |
【参考文献】新 一般用漢方処方の手引き
授乳中の服用に注意が必要なものとして、「麻黄(マオウ)」と「大黄(ダイオウ)」という生薬が配合されている漢方薬があります。
麻黄は「エフェドリン」という成分と同様の働きをします。
母乳を通じて乳幼児の体内に入ると、エフェドリンの交感神経亢進作用により、覚醒状態が強く出ます。
そのため夜間になかなか眠らなくなるという可能性があります。
下記は咳止めに有効な漢方ですが、授乳中は市販薬を含め、なるべく服用は避けて下さい。
「葛根湯」「麻黄湯」「小青竜湯」「麻杏甘石湯」「五虎湯」「神秘湯」「麻杏甘石湯」
「小青竜湯加杏仁石膏」「小青竜湯合麻杏甘石湯」「小続命湯」
上記は「麻黄」配合の咳止め効果のある漢方薬です。咳止めの効能を持たない漢方薬については記載しておりませんので、服用前に必ず配合されている生薬をご確認ください。
また医師によっては、処方に問題なしと判断される場合もありますので、処方された場合は医師の指示に従って服用してください。
大黄を含む漢方を服用すると、乳児が下痢を引き起こす事があります。
授乳中は市販薬を含め、なるべく服薬は避けて下さい。
※上記表の咳止めに関する漢方で、大黄は含まれておりません。
薬を飲む前に搾乳機で母乳を搾り出しておいて、冷蔵または、冷凍しておく方法があります。
いずれも搾ったばかりの新鮮な母乳(搾乳後30分以内)で行ってください。
冷蔵だと1日程度は保存可能です。
冷蔵庫で母乳を保存する場合の適温は5℃以下ですが、冷蔵庫内の温度は通常3~5℃なので、特に冷蔵庫内の温度調整をする必要はありません。
ただし冷蔵庫の場所によって温度が異なり、5℃以上になる所もあるため、置き場所には注意が必要です。
特に開閉により、温度が上がりやすいドアポケットや温度が高めに設定されている野菜室では保存しないで下さい。
母乳はなるべく温度の低い場所に保存することが望ましいため、冷蔵庫の中で最も温度の低いチルド室が適しています。
チルド室が無い場合、冷気は下に貯まりやすいため、なるべく冷蔵庫の下段か、冷風口の近くに置くと冷えやすくなります。
冷蔵庫内の温度が冷えにくい場合は、物の詰め込みすぎにより冷風口が塞がれてしまい、冷気が庫内をうまく循環していないことが考えられます。
その場合は、庫内を一度整理してから保存しましょう。
保存方法については、哺乳瓶に移して冷蔵すれば問題ありませんが、雑菌が気になる方は哺乳瓶の口を密閉する事で、雑菌が入らなくするキャップがあります。
https://www.pigeon.co.jp/news/detail/book09_2_9.html
【温め方】少しぬるめのお湯(40~45℃程度)につけ、人肌の温度まで温めてから乳児に飲ませてください。
母乳を冷凍する場合は、なるべく2~3週間以内に使い切ってください。
なぜかというと冷凍庫は、既に凍結されているものを保存するために開発されています。
温度が高い状態から冷凍庫に入れると、温度が徐々に下がった状態から凍結するため、緩慢凍結となる可能性が高いからです。
緩慢凍結(緩慢冷凍)とは、食品を凍結する際、食品の中心温度が最大氷結晶生成帯(マイナス5℃~マイナス1℃)に30分以上とどまって食品を冷凍することを指します。
最大氷結晶生成帯に留まる時間が長いほど、食品中の氷結晶は大きくなります。氷結晶が大きくなると、食品の組織にダメージが加わり、品質に悪影響が及びます。
一般社団法人日本冷凍食品協会が認定する「冷凍食品」の定義では、急速凍結(急速冷凍)をすることが要件の一つになっています。
(ただし、急速凍結よりも緩慢凍結(緩慢冷凍)の方が製品の品質上好ましい、あるいは品質上の差異が見られない場合には、科学的根拠に基づいた説明をしたうえで緩慢凍結を冷凍商品の製造方法として採用することもできます)
冷凍食品を製造する場合には、専用の急速冷凍機を使って急速冷凍をしています。
一方、家庭用冷蔵庫の冷凍保存庫は、JIS規格によりマイナス18℃以下と決められており、冷凍食品の保存には適していますが、食品の凍結は緩慢になってしまいます。
出典元:おいしい冷凍研究所
https://frozen-lab.eda-mame.jp/glossary/slow-freezing
市販の冷凍食品だと半年程度はもつため、母乳もそれくらいはと考えがちですが、上記のことから、なるべく早く使い切る必要があります。
【冷凍での保存方法】
保存方法については、下記のような母乳専用のフリーザーパックに入れて小分けしてから、ジップロックなどに入れて保存します。
▼ピジョン? 母乳フリーザーパック80ml:50枚入
https://www.natural-pharmacy.jp/item/detail?item_prefix=TF&item_code=707561&item_branch=002
なお冷凍庫内の温度は、通常-18~-20℃程度ですが、雑菌や微生物は、-18℃以下だと増殖できません。
そのため冷凍庫内の温度は-18℃以下とJIS規格で決められています。
もし冷凍庫内の温度が-18℃以上になっている場合は、冷凍保存しないでください。
【解凍方法と温め方】
煮沸や電子レンジなどで、急速解凍すると母乳に含まれる栄養分が損なわれてしまうため、冷蔵庫に移して自然解凍するか、流水につけてがゆっくり解凍するのが適切です。
解凍後は哺乳瓶に移し、少しぬるめのお湯(40~45℃程度)につけ、人肌の温度まで温めてから与えてください。
薬を服薬してから、約30分後にその成分が体内の血液中に含まれ始め、1~2時間後に最も血液濃度が高くなると言われています。?
乳幼児への影響が気になる方は、授乳直後に服薬することをおすすめします。
また、乳幼児の月齢によっても服薬による影響の出やすさが変わってきます。
月齢が低い新生児の場合には、肝機能や腎機能が未熟で薬を排出する機能がまだ完全でないため、副作用が出る可能性が高くなります。
薬を服用している期間だけ、粉ミルクに変えるというのも手です。
現在の粉ミルクの品質は著しく向上しており、母乳と比べて摂取できる栄養素に大差ありません。
体調が悪くてお薬を服用する時は、母乳に移行しにくい薬を服用するか、薬をしっかり飲んでその間は粉ミルクに代えて、早く体調を戻して授乳を再開するのも1つの方法です。
授乳期はどうしても乳幼児への影響を考え、飲むお薬には配慮が必要になります。
とくに授乳期は睡眠が不規則で体調を崩しがちではありますが、しっかり水分を取って出来る限り疲れをためないようにする事が肝要です。
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