■痔核
痔核は、肛門の血行が悪くなり、毛細血管の一部がうっ血してこぶ状になったものです。
直腸と肛門の皮膚部分との境目である歯状線より上にできる内痔核と、歯状線より下の肛門上皮にできる外痔核があります。
外痔核は痛みを伴いますが、内痔核では普通痛みが無いため、出血や痔核が肛門から脱出することで初めて気づくことが多いようです。
▼症状
・排便時に出血する
・便に赤い血が混じっている
・残便感がある
・排便時にイボが出てくる
・運動をした時イボが飛び出す
・イボがずっと出ている
・排便の時痛む
▼原因
主に排便時のいきみ、便秘や下痢などで、肛門のクッション部分に負担がかかることによって起こります。
また、長時間の同じ姿勢・冷え・妊娠・出産などで、肛門部の血液の流れが悪くなり、うっ血して腫れることでも症状が悪化します。
▼治療法
・食生活の改善(便秘解消)
・辛いものなどの刺激物の摂取を控える
・アルコールの過剰摂取を控える
・タバコをやめる
・肛門を温める
・治療薬
裂肛(きれ痔)
裂肛とは、固い便によって肛門付近が切れたり裂けたりするものです。男性よりも女性に多くみられます。
出血は紙に付く程度ですが、激しい痛みを伴うために排便を我慢して便秘になり、さらに症状を悪化させがちです。
▼症状
・出血がある
・排便後、痛みが続く
・肛門周辺がむずがゆい
・便が細い
▼原因
便秘の硬い便や、勢いよく下痢便が通過することで肛門上皮が切れてしまうことが主な原因です。裂肛は女性に多いといわれています。これは、ダイエットなどで食事量を制限して便秘に悩んでいる女性が多いことと関係があるようです。
食事量が少なくなると、腸のはたらきが鈍って便秘になりやすくなります。その結果、便が硬くなって排便の際に肛門上皮を傷つけて裂肛になってしまいます。
▼治療法
・便秘・下痢が原因で切れ痔になっている場合は、とにかく便秘下痢を改善、解消
・塗り薬
痔ろう
痔ろうは、細菌の感染によって肛門内が化膿(かのう)し、肛門の内と外がトンネルでつながったものです。
▼症状
・肛門周辺に痛みがある
・肛門周辺に熱感がある
・肛門周囲に腫れがある
▼原因
下痢などによって、歯状線横にある肛門陰窩(いんか)と呼ばれる小さなくぼみに便が入り、便中の大腸菌などの細菌の感染によって化膿することで起こります。普段は、ここに便が入り込むことはないのですが、下痢をしていると入りやすくなります。
▼治療法
・手術が必要なことがある
痔と間違えやすい病気
出血(血便)の場合
・大腸がん
・大腸ポリープ
・潰瘍性大腸炎
脱肛(肛門から何か出ている)の場合
・直腸脱
・尖圭コンジローマ
・肛門ポリープ
痛みの場合
・直腸・肛門がん
・直腸肛門痛
腫れている場合
・臀部膿皮症
・毛嚢炎